こんにちは、Massaです。
さて論語を使った中国語学習第2回目です。
今回は孔子のお弟子さんの一人である”有先生”のお言葉になります。
儒学の根本となる考え方で、2500年前の春秋戦国時代の騒乱の中孔子が辿り着いた哲「孝弟」についてです。
原文
译文(訳文)
覚えたい単語
覚えたい単語のPDFファイル作ったのでもしよかったら使ってください。覚えたい単語 学而第一(2)
评析(考察)
有若认为,人们如果能够在家中对父母尽孝,对兄长训服,那么,他在外就可以对国家尽忠;忠是以孝悌为前提,孝悌以忠为目的。
もし人々が家庭において両親に孝行を尽くし兄に従うと考えるのであれば、家庭の外でも国家にも忠誠を尽くすであろう。 「忠義」は親孝行の前提であり親孝行は「忠義」の目的である。
儒家认为,在家中实行了孝悌,统治者内部就不会发生犯上作乱的事情;再把孝悌推广到劳动民众中去,民众也会绝对服从,而不会起来造反,这样就可以维护社会的安定。
儒教家は家庭で孝弟を行っていれば統治者内部で造反を犯す事態は起こらない。そして孝弟を民衆に推し広めれば、民衆は絶対に従い反乱など起こすことはないので、これこを行う事で社会の安定を守ることができると考えます。。
这里所提的孝悌是仁的根本,对于读者理解孔子以认为核心的哲学,伦理思想非常重要。
ここに出てくる「孝悌」は「仁」の基本であり、読者が孔子を理解する上で中心的哲学である論理思想はとても重要です。
在春秋时代,周天子实行嫡长子继承制,其余庶子则分封为诸侯,诸侯以下也是如此。整个社会从天子,诸侯到大夫这样一种政治结构,其基础是封建的宗法血缘关系;而孝悌说正反映了当时宗法制社会的道德要求。
春秋時代では周の皇帝が長男継承性を実行しました。列国においても他の兄弟は嫡男の「諸侯」につかえさせ「諸侯」以降も同じ様にしました。皇帝によって社会はまとめられ、諸侯、大夫(当時の役職の名前)までこの様な政治的仕組みを作りその基礎となる封建的決まりを血縁関係としました。さらに孝弟説を反映し当時の社会的道徳の決まりとして求める様になりました。
孝悌与社会的安定有直接关系。孔子看到了这一点,所以,他的全部思想主张都是由此出发的,他从为人孝悌就不会发生犯上作乱之事这点上,说明孝悌即为仁的根本这个道理。
「孝弟と社会の安定は直接関係する。」孔子がこの一点に気づいた事によって、他の全ての思想・主張はこれに端を発している。そして孝弟が世を乱す事柄を発生させないという考えのもと、孝弟はすなわち「仁」の基本であると説明している。
自春秋战国以后历代封建统治者和文人,都继承和利用了孔子的孝悌说,主张“以孝治天下”,汉代即是一个鲜例。
春秋戦国時代以降歴代の封建社会の権力者や知識者は皆、孔子の「孝悌説」を継承し利用しました。「孝を以って治める天下」の主張は漢時代の鮮やかな一例である。
统治者把道德教化作为实行封建统治的重要手段,对民众的道德观念和道德行为产生了极大影响,也对整个中国传统文化产生深刻影响。
“统治者把道德教化作为实行封建统治的重要手段”
把構文:中国語では通常目的語の前に動詞が来る事が通常ですが「把(bǎ)」を目的語となる名詞句の前につけることで「〜を」という形で動詞の表す動作の対象として表現されます。ここでは「实行(実行する)」が動詞となります。
“统治者把道德教化作为实行封建统治的重要手段”
「作为(zuò wéi)」はその後ろにある「封建统治的重要手段」にかかっていて、「〜と見なす、〜とする と」いう使い方をします。なのでこの場合「封建統治の重要手段とする」と訳されます。
統治者は道徳教育の実行を封建統治の重要な手段とし、民衆に対して道徳観や道徳的な行いはとても大きな影響を与えました。そして中国の伝統文化の産出にも深い影響を及ぼしました。
孝悌说是为封建统治和宗法家庭制度服务的,对比应有清醒的认识和分析判别,抛奔封建毒素,继承其合理的内容,充分发挥道德在社会安定方面所应有的作用。
「孝弟説」は封建統治と家庭制度のための約束事として明らかな認識と分析判断から封建社会の毒素を出し、その合理的な内容を継承し、十分道徳的安定社会の方向に有るべき作用を発揮しました。
この句から学べること
「孝悌」って現代社会に合う?
この句の背景には中国の春秋戦国時代と封建制度社会という背景のある中での考え方なのですが、日本でも古くからこの儒教的教育は行われていたので「両親を大切にする」とか「長男が家を継ぐものだ」ということは聞いた事があると思います。。
私も親孝行をすることはとても立派な行いだと教わってきましたし、少し前までは日本でも家督を長男が継ぐという習慣も当たり前の様にありました。
大河ドラマなんかに出てくる武家の家族などはまさにその様に描かれていますよね。
しかし現代の社会では生活も多様化し家族のあり方も昔とはずいぶん変わってきました。
「親に従順であれ」とか「家督を継ぐ兄に従え」という考え方はやはり現代社会にはそぐわない時代錯誤の考えだと思います。
ただ「社会を作る集団の最小単位としての家族を大切にし家庭円満である事が安定した社会を作る」という考え方は確かにその通りだと思います。
心身ともに支え合うことのできる大切な家族との関係が良好であれば個人のメンタルも安定し、誰かに悪意を向ける様なことはないでしょうからね。
つまり「愛は地球を救うです。」ちょっと大げさかな(笑)
我が家でも・・・
私も妻がいて一人の娘の父親でもあります。最近は娘も成長し、だんだんと自己主張も強くなってきて、時々親子でぶつかる事も多くなりました。
時には私が感情的になって怒鳴りつける事もあるのですが、後で冷静になって考えるとちゃんと子供の立場になって考えていなかったことに気づいていつも後悔をします。
前回の句で勉強した「人不知不愠」ってやつですね。理解されなくとも恨まない・・・。
親はついつい子供が親の言うことを理解しないと感情的になってしまう事がありますが、その時に果たして親は子供の気持ちをちゃんと理解した上で話をしていたのか?
気持ちも理解せずに上から考えを押し付けられてしまったら誰だって相手の話など聞く気にもなりませんよね。
親も子供を一人の人間として愛し理解をする。そして親の考えを押し付けずに子供の選択を尊重しながら寄り添い導くことで、子供は親を慕い尊敬する様になるのだと思います。
さらにその様に育てられた子供は周囲の人に対しても高圧的になることもなくなるでしょうし、皆がお互いを尊重できるようになれば社会は安定していくのでしょうね。
もちろん世の中はこんなに単純な事ではないのですが、先ずは自分の近くにいる人との関係を良くする事で自ずと自分も幸せになり、その様な輪が広がれば結果的に周りの人も皆幸せになって行くのかなと最近は思っています。
まとめ
今回は儒教の要とも言える「孝弟」についての句を勉強しました。
現代社会ではちょっと?という考え方ではありますが、論語は2500年も前の書物ですので時代によって、または人によって解釈も色々ある様です。
なので私は読み手によって色々な解釈があっても良いのかなとも思っています。
これからも中国語の勉強をしながら論語も楽しく学んでいきたいと思いますのでよろしければこれからも是非お付き合いくださいね。
Massa
コメント